2010年上半期ライトノベルサイト杯

まだ読まずに積んである対象作も数冊ありますが、たぶん読んでる時間がないので、お先に投票してしまうことにしました。今年に入ってからの読書傾向は、既存のシリーズを月ごとに何かまとめ読みしつつ、新刊をいくらか読むという感じになっています。どちらかというと新作開拓よりも、既存のシリーズの続編を読んでる割合が高い気もしますが、いざ何に投票しようかピックアップしだしたら、新規部門の方が多かったという結果。杯のコンセプトからして、敢えていっぱいでてるシリーズを取り上げるよりも、有望そうな新作の方が布教できるから、という思考があるからかもしれません。なので私の場合、既存で取り上げる作品は完結作かよっぽど好きな作品のどちらかになります。今回もまさしくそんな感じになりました。
投票の比率は、新規:既存=7:3で相変わらずの安定感。部門ごとにオススメ順で並べてみました。ではどうぞ。

◆新規部門◆
さくら荘のペットな彼女【10上期ラノベ投票/新規/9784048684637】

今回投票するまず第1作目は「さくら荘のペットな彼女」。問題児ばかり集まる学生寮“さくら荘”に集まる人間模様を描いた青春グラフィテイー。漫画家になりたいという目標を持つ天才画家ましろと、彼女の世話係(通称:ましろ当番)に選ばれた空太の2人を軸に、さまざまな恋愛模様や人間の才能についての悩みなど、見事に書き切られています。ぼんやりと青春時代を送っている送ってきた全ての人に読ませたい、そんな傑作。
投票期間中には2冊でていますが、一番好きな2巻に投票しました。ちなみにまだ3巻までしかでていないので、買うなら今!

絶望同盟【10上期ラノベ投票/新規/9784758041379】

絶望同盟 (一迅社文庫)

絶望同盟 (一迅社文庫)

続きまして再び青春モノ。十文字青が送る第九シリーズ第3弾は「絶望同盟」。日常にそれぞれの絶望を感じる第九高校の生徒たち4人の物語。タイトルからして鬱々しい話かと思いきや意外、これがまた爽やかな青春モノなんです(当シリーズ比)。鬱々しいの苦手だから十文字青は……と思っていた、貴方。まずは騙されたと思って読んでみましょう。入門編に最適です。ちなみにシリーズと言っても、お話はそれぞれ独立しているのでここから読めます。

舞面真面とお面の女【10上期ラノベ投票/新規/9784048685818】

舞面真面とお面の女 (メディアワークス文庫)

舞面真面とお面の女 (メディアワークス文庫)

まさに鬼才。いや、奇才。「[映]アムリタ」から4ヶ月。野粼まどの送る新作は、曾祖父の残した遺言、箱と石と面をめぐる奇妙なミステリー? 不可解な登場人物が不可解なガジェットと組み合わさり、不可解な世界観を構築していく……。人を喰ったようなこのオチは、まさに急転直下。個人的このミス候補作。

ゆうれいなんか見えない!【10上期ラノベ投票/新規/9784797358612】

ゆうれいなんか見えない! (GA文庫)

ゆうれいなんか見えない! (GA文庫)

第1回GA文庫大賞奨励賞受賞作品。なんて肩書きはおいといて、とりあえず依ちゃんかわいい。よりより。よりより。読んで終わったらあなたも依ちゃんの魅力によりよりにされます。今回のロリベ枠。真面目な話、依ちゃんはかわいらしく健気で一途でそれでいてどこかずれている、とてもいい子なのですが、お話自体もどこか伝奇がかっているので、そういうのが好きな人にもいいかもしれません。でも、よりより。

殺戮ゲームの館(上)【10上期ラノベ投票/新規/9784048684682】

気が付いたらいつの間にか好きだった。そんな土橋作品。基本的にデスゲームちっくな作品ばかりですが、今回も違わずデスゲーム。集団自殺の現場になったという廃墟を探していた11人のオカルトサークルのメンバーたち。気がつけば密室に捕らわれ、一方的にデスゲームを強要され……。土橋作品の魅力は、そのゲームだけでなくそこで繰り広げられる人間関係がやっぱりいいんですよね。今作は特にヒロインが私好みのいい性格をしており、分冊にもかかわらずあっという間に読まされてしまいました。分冊なのでとりあえず上巻に投票しましたが、真骨頂は下巻からです。

シュガーアップル・フェアリーテイル 銀砂糖師と黒の妖精【10上期ラノベ投票/新規/9784044550073】

本屋で偶然みかけ、表紙に魅かれ、へぇ新人なのかぁと思い、気づけば購入していた。という、表紙買いは大当たり。ビーンズ文庫を手に取るの自体久しぶりでしたが、とても気持ちのいい正統派ファンタジーでした。亡くなった母のような銀砂糖師を目指し王都へ向かう少女の成長物語。出てくる妖精さんたちもひねくれものが多いけれど、かわいいの。妖精さんはいいわ。ところで、現実にもシュガーアップルってあるんですね。→これ

星刻の竜騎士【10上期ラノベ投票/新規/9784840134200】

星刻の竜騎士(1) (MF文庫J)

星刻の竜騎士(1) (MF文庫J)

新規部門最後の投票は、瑞智士記の最新作。まぁよくあるラブコメファンタジーなんですが、世界観とか設定は割と好み。1巻はまだまだ導入部といった感じなので、これから化ける可能性に期待。まだ明るい感じですが、ここから陰鬱な感じが交じってくるといいのになぁ。まぁ、本当は瑞智先生には「あまがみエメンタール」みたいな甘々な百合作品を書いてほしいんですけどね、本当は。

◆既存部門◆
ある秋の卒業式と、あるいは空を見上げるアネモイと。【10上期ラノベ投票/既存/9784758041478】

前作「ある夏のお見合いと〜」から2年弱、まさかの続編登場。あれからどうなってるのだろうという心配は杞憂もいいところでした。前作の世界はそのままに更に新たな広がりを見せてくれました。本当に過不足ない素晴らしい作品です。こんなに素晴らしい本がもっとでたら、一迅社文庫も評価上がるんでしょうけど、最近は当たりの確立がずいぶん低くなってきた気も否めません。

迷宮街クロニクル4 青空のもと 道は別れ【10上期ラノベ投票/既存/9784797358643】

迷宮街クロニクル4 青空のもと 道は別れ (GA文庫)

迷宮街クロニクル4 青空のもと 道は別れ (GA文庫)

前回に引き続き投票。こちらも素晴らしい青春群像劇、堂々の完結。シリーズ序盤が読みづらかったりもするのですが、気がつけばファンタジーなのに圧倒的な現実に取り込まれてしまいます。そこで繰り広げられ絡み合うリアルな人間模様。SAOといい、Web発の小説にも侮れない作品がいっぱいあるのかもしれません。

ピーチガーデン 3.ラストコノテーション【10上期ラノベ投票/既存/9784044748159】

私の中で、昨期のそこそこ一押しな新人……だったんですが、3巻打ち切り?な感じで終わってしまいました。確かに、3巻で綺麗に素晴らしくこれしかないっ!エンドで終わっているのですが、もう少しこの作品を楽しんでいたかったなぁ。というのが正直な感想です。幼女あり、ヤンデレおねぇさんあり、デレデレボーイッシュありの、サスペンスハーレムというべきヤるかヤられるかのハードボイルドな世界観は一読の価値ありです。


という訳で、10作品投票&紹介してみましたー。今回ISBNコードが手打ちだったり、いろいろ投票のシステム面で何か不備やらかしてないか心配だったりもしますが、まぁ不備あったらあったらですよねー……。
次点で悩んだ作品としては、新規だと「ぼくこい」「精恋三国志」、既存だと「絶対女王にゃー様2」「SAO4」あたりでしょうか。また、読めてない作品だと、「スワロウテイル 人工少女販売処」「パティシエは最強の魔術師です。」がずっと気になっているのと、清水文化の2大新作「どらごん・はんたぁ」「すーぱー☆なちゅらる」も積んだままなので、早く読まないと行けないなぁと思いつつ積みっぱなし。まぁ読めてたら候補にしたかも、といったのがこのあたり。まぁ、4冊くらい読めよ!って言われそうですが、何分先に読みたい本とか読まないといけない本がまだまだ積まれてる訳でして、次回までには読みたいなぁと思う所存。
なんて言っても、どうせ今回のラノサイ杯が終わったらまた積読は増えちゃうんでしょうけどね☆